田中×Mark対談|インドと日本の採用観、どこが違ってどこが同じか

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田中×Mark対談|インドと日本の採用観、どこが違ってどこが同じか

  • 2026.07.21
  • 対談
  • 採用
日本とインドの地図と吹き出しで採用観の対談を表現したZenNxt Labsコラム画像
Japan × India Hiring Dialogue

インドの高度IT人材を採用するとき、企業側が候補者を選ぶだけでなく、候補者から選ばれる採用プロセスを作る必要があります。日本企業が丁寧に検討している間に、候補者側では別の選考やオファーが進んでいることもあります。今回は、ZenNxt Labsの田中とMarkが、インドと日本の採用観の違い、技術評価で見ていること、採用後にチームとして機能させるための考え方を話しました。

この記事でわかること

  • インド人エンジニアが仕事を選ぶときに見ているもの
  • 日本企業の採用プロセスが候補者にどう映るのか
  • 報酬、安定性、挑戦性、キャリアの伝え方
  • 技術力だけでは見えないスクリーニングの視点
  • 稼働開始後にチームとして動き出すためのすり合わせ

インドのIT人材は、仕事を選ぶとき何を見ていますか?

まずは、候補者がオファーを見るときの判断基準を聞きました。報酬の話から始まり、安定性や挑戦性へ会話が広がりました。

田中:インドのIT人材が新しい仕事を選ぶとき、まず何を重視するのでしょうか。日本企業から見ると、報酬なのか、プロジェクトなのか、どこを押さえるべきか気になります。

Mark:これは世界共通ですが、第一に報酬です。ただ、経験を積んだエンジニアは報酬だけでは決めません。長く続くプロジェクトか、自分にとって挑戦になる仕事かも見ています。

田中:日本企業は「安定した仕事があります」と伝えることが多いですよね。それは魅力になりますか。

Mark:なります。ただし、候補者はその安定した環境の中で、自分が何を任されるのかを知りたいです。新しい機能開発に関われるのか、意思決定に入れるのか、技術的な挑戦があるのか。安定性と挑戦性の両方が見えると、候補者は前向きに考えやすくなります。

田中:日本企業側は、会社の信頼性だけでなく、候補者がそこでどう成長できるかまで伝える必要があるわけですね。

Mark:はい。候補者もキャリアを真剣に考えています。どんなプロジェクトで、どんな役割を担えるのか。そこが見えないと、判断が難しくなります。

日本企業の採用プロセスで、候補者が戸惑いやすいところはどこですか?

次に、選考中の待ち時間について聞きました。日本側の丁寧な確認が、候補者にはどう映るのかをMarkが語りました。

田中:日本企業の採用プロセスで、候補者が戸惑うところはどこですか。

Mark:スピード感です。インドでは、面接から数日で次の判断が出ることがあります。日本企業は社内承認、予算確認、オファー準備に2〜3週間かかることがありますよね。その間に連絡がないと、候補者はもう次に行ってしまうと考えたほうが良いです。

田中:早く決めることだけでなく、次に何が起きるのかを候補者に見せることが大事なのですね。

Mark:その通りです。日本企業の承認プロセスをすぐに変えるのは難しくても、「いつまでに返答するか」「今どの確認をしているか」を伝えることはできます。候補者にとって見えない時間を減らすだけでも、選考中の不安は小さくなります。

日本企業は、インドの高度IT人材にどう魅力を伝えればよいですか?

ここでは、日本企業の強みをどう言葉にするかを聞きました。安定性や品質だけでなく、候補者が知りたい役割の見せ方にも話が広がりました。

田中:アメリカやヨーロッパの企業とも競争になる中で、日本企業は現地の高度IT人材から選ばれるのでしょうか。もっと高い報酬を出せる企業に、良い人材を取られてしまう不安もあります。

Mark:報酬だけで見れば、欧米企業の方が強い場面はあります。大きな予算を持つ企業は、より高い金額を提示できます。ただ、日本企業にまったく魅力がないわけではありません。

田中:高い報酬を出せる企業が採れなかった人しか来ない、という話ではないのですね。

Mark:そうではありません。候補者は報酬も見ますが、それだけで決めるわけではありません。長く関われるプロジェクト、透明なプロセス、品質の高い開発、数年後のキャリアが見えることは、日本企業を選ぶ理由になります。

採用後にチームで機能する人材か、どう見極めますか?

技術力の確認だけでは、チームに入った後の働き方までは見えません。ここでは、採用後に日本企業の開発現場で力を発揮できる人材を、Markがどのように見ているのかを聞きました。

田中:技術力があることと、実際にチームの中で活躍できることは、少し違いますよね。Markさんは、採用後にチームで機能する人材かどうかを、どこで見ていますか。

Mark:まず技術力は当然見ます。ただ、それだけでは判断できません。大事なのは、問題が起きたときにどう動くかです。自分で状況を切り分けるのか、チームに共有できるのか、黙って止まってしまうのか。そこに、その人の働き方が出ます。

田中:コードを書けるかだけではなく、困ったときの動き方を見るということですね。

Mark:そうです。日本企業の開発現場では、仕様がすべて細かく決まっているとは限りません。だから、曖昧な状況でも、何を確認すべきか、誰に相談すべきかを考えられる人かどうかが大事になります。

田中:日本側からすると、「そこは聞いてくれればよかったのに」と感じる場面もありそうです。

Mark:あります。候補者によっては、質問してよいタイミングや相手がわからず、止まってしまうことがあります。だから、面接では過去の仕事で問題が起きたときに、どう相談し、どう解決したかを聞きます。

田中:ビジネスの理解度も見ていると話していましたよね。

Mark:はい。たとえば、なぜその機能が必要だったのか、想定ユーザーは誰だったのか、どんな前提でデータベースやセキュリティを考えたのか。技術の話を、プロダクトや事業の文脈で説明できるかを見ます。

田中:単に「この技術を使いました」ではなく、なぜその判断をしたのかまで聞くわけですね。

Mark:そうです。日本企業が求めているのは、チケットを処理するだけの人ではないことがあります。チームの目的を理解して、自分の役割を考えながら動ける人かどうか。そこを見ています。

田中:採用後にチームで機能するかを見るには、技術力、相談の仕方、責任感、ビジネス理解を合わせて見る必要があるのですね。

Mark:はい。強いエンジニアかどうかだけではなく、その会社のチームで一緒に成果を出せるかを見ることが大事です。

日本企業が求める人材像は、どうやって具体化していきますか?

採用要件は、最初からきれいに固まっているとは限りません。履歴書と面接の反応を使いながら、人材像を具体化していく方法を聞きました。

田中:ZenNxt Labsでは、企業が求めている人材の解像度をどう上げていますか。

Mark:まず日本側の要望を聞きます。そのうえで、候補者の履歴書をいくつか見せて、「この方向性ですか」とすり合わせます。そこでフィードバックをもらい、要件を具体化します。

田中:最初から完璧な人材像が決まっているわけではなく、履歴書や面接を通じて調整していくのですね。

Mark:はい。一次面接に同席すると、企業がどんな質問をするか、何に反応するかが見えます。面接後のフィードバックも大事です。「この経験は良い」「ここは足りない」とわかると、次の候補者選定に反映できます。

田中:日本企業の要望は、日本語のままだと「主体的に動ける人」「ビジネスを理解できる人」のように広い表現になりがちです。それを候補者に聞ける条件へ変える必要がありますね。

Mark:その通りです。主体性を見るなら、問題が起きたときの動き方を聞きます。ビジネス理解を見るなら、過去に関わった機能の目的やユーザーを聞きます。言葉を面接で扱える条件に変えることで、評価のぶれを抑えます。

日本とインドで仕事の期待値がずれるとき、どうすり合わせますか?

ここからは、日本とインドで仕事の範囲がずれる場面について聞きました。譲れない条件と、チーム設計で合わせられる条件の切り分け方が話題になりました。

田中:日本企業は、一人に複数の役割を期待することがありますよね。設計も開発もテストも、場合によっては要件理解も、という形です。

Mark:インドでは、役割がもう少し分かれていることがあります。候補者によっては「自分はこの技術領域をやりたい」と明確に考えている人もいます。

田中:日本側の期待と候補者側の専門性が合わないときは、企業に妥協してもらうのでしょうか。それとも合う人を探し直すのでしょうか。

Mark:基本的には、企業が求める人材を探します。ただし、条件に完全に合う人だけを探すと時間がかかります。候補者が現職にいる場合は通知期間もありますし、その間に別のオファーを受けることもあります。

田中:条件を維持することにも、採用期間が延びるリスクがあるわけですね。

Mark:はい。だから、何を譲れない条件にするのか、どこはチーム設計で補えるのかを一緒に考える必要があります。日本の働き方をそのままインドに持ち込むだけでは合いません。お互いに歩み寄って、チームとして機能する形を作ることが大事です。

稼働後、日本側は何を意識するとチームが動きやすくなりますか?

最後は、採用後の立ち上げについて聞きました。時差、質問先、レビュー、開発環境など、チームが動き出す前にそろえたいポイントが話題に上がりました。

田中:チームとして稼働を始めた後、日本側が意識したほうがよいことは何でしょうか。

Mark:まず時差です。日本とインドには3.5時間の時差があります。日本時間に合わせて早く働くケースもありますが、候補者やチームの状況を見て、重なる時間をどう使うかを決めたほうがよいです。

田中:重なる時間を、ただの定例ではなく、レビューや判断に使うということですね。

Mark:はい。次に、日々のフィードバックです。最初の3〜4ヶ月は、コードレビューやミーティングを通じて細かく伝えたほうがよいです。日本のチームで何が良くて、何が良くないのかを学ぶ時間が必要です。

田中:質問の仕方も違いが出ると話していました。

Mark:インド人エンジニアの中には、質問してよいタイミングや相手がわからず、質問をためらう人がいます。日本側では誰に相談すべきかが曖昧なこともあります。だから、質問先やレビューの流れを決めておくことが大事です。

田中:開発環境の違いも、立ち上がりに影響しますよね。

Mark:します。日本側ではMacを使っていて、インド側ではWindowsを用意した結果、環境構築に時間がかかることがあります。端末、権限、リポジトリ、ローカル環境は、稼働前に確認したほうがよいです。

田中:最後に、日本企業がインド人エンジニア採用を始めるとき、特に意識すべきことを挙げるなら何でしょうか。

Mark:採用のスピードと、コミュニケーションの言語化です。返答を止めないこと。役割、責任範囲、DoとDon'tを言葉にすること。この二つがあると、インドのIT人材との協働は進めやすくなります。

田中:採用は、人を見つけるだけではなく、チームとして動ける状態まで設計することですね。

Mark:はい。小さく始めて、フィードバックしながら合わせていく。その進め方が現実的だと思います。

ZenNxt Labsでは、インドの高度IT人材を探す段階から、技術評価、面談同席、立ち上げ準備、稼働後の体制設計まで伴走しています。要件がまだ固まりきっていない段階でも、候補者像や進め方を一緒に具体化できます。

サービス内容はZenNxt Labsのサービスページをご覧ください。

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候補者像が固まりきっていない段階でも、採用プロセスと受け入れ体制を一緒に具体化します。

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